ステンレスコラム

ステンレス加工の専門家
太華工業が運営するステンレスコラム

ステンレスとは?①ステンレスの産声

さて皆さん、突然ですが「ステンレス」の正式名称をご存知ですか?
Stain(ステイン 汚れ)+less(レス ない)+steel(スチール 鋼)=Stainless steel(ステンレス鋼)
さすがにこれは皆さんご存知だったかもしれませんね。

なぜこんなことを申し上げたかと言うと、ステンレスは私たちの生活にとても深く根付いていますよね。
家の中では、例えばキッチン。
ステンレス製品が一つもない、というキッチンはもはやこの世に存在しないのではないでしょうか。

そして外に出てみれば、エスカレーターや駅の自動改札機も今はほとんどがステンレス製です。

このようにとても身近な金属である「ステンレス」ですが、いったいどのように誕生したのでしょうか。

そしてどのような発展を遂げて、現在のように身近な存在になったのでしょうか。

これまでさまざまな研磨やコーティングを紹介してきましたが、今回からしばらくは「ステンレスとは?」というテーマでステンレスそのものについて分かりやすく、かつ丁寧に掘り下げていきたいと思います。

「ステンレスとは?」一回目はステンレスの産声です。

上の二枚の写真をご覧ください。これは鉄製の機械部品や釘が錆びてボロボロになってしまったものです。
この錆びもアンティークとして見れば趣があるとも言えますが、そもそもこうなってしまっては本来の機能を発揮することができません。

鉄は安価でありながら硬くて丈夫であり、私たちの文明の進化になくてはならない偉大な金属です。
しかし、とても錆びやすいという弱点があります。

そこで昔から、表面に塗装をしたりメッキをしたりして少しでも錆びの進行を防ぐ手段が講じられてきました。
ただそのためには手間も費用もかかるうえに、思うような効果が得られないことも多かったようです。

そこで「もっと錆びにくい鉄をつくろうじゃないか」という機運が徐々に高まり、ヨーロッパを中心に本格的な研究が始まりました。

そして1820年頃、イギリスのある研究者が鉄にさまざまな元素を添加すると錆びにくくなることを発見しました。
その研究者は70~80種類の合金を作ったと言われていますが、それらの合金の中に現在のステンレスの原形となるものも発見されました。
飽くなき研究や実験の繰り返しのなかで、ようやくステンレスは産声をあげたのです。

さて皆さん、ここで問題です。
その研究では、鉄にある特定の元素を添加するともっとも錆びにくくなることが立証されたのですが、その元素とはいったい何だったでしょうか。

正解は次回以降のコラムで紹介していきます!
その添加量や、錆びにくくなるメカニズムについても分かりやすくお話ししますのでぜひお楽しみに!

今回のステンレスコラム「ステンレスとは?①ステンレスの産声」いかがだったでしょうか。

こちらのコラムでは「よく聞く言葉だけどいまいちピンとこない」「先輩や同僚に今さら聞くのもちょっと恥ずかしいな」というお客様の声にお応えし、なるべく分かりやすい言葉でいろいろな技術や事例を紹介していきます。

次回以降もどうぞよろしくお願いいたします。